夫からのクリスマスプレゼント⑦

すぐに夫の携帯に電話すると夫が出た。
「どうしたの?」
「まだ仕事?」
「そうだけど?」
「どこにいるの?周りがうるさいけど・・・?」
「え?あ~駅前にいる」
「会社の最寄り駅?これから会社にまた戻って仕事?」
「そうだけど?」
「クリスマスなのに大変だね」
「仕方ないよ。んじゃ悪いけど今日も遅くなるから、先寝てていいからさ」
「わかった。じゃーね」

間違いなく夫が嘘をついているのがわかった。

私は駅前の喫茶店にいて、そこからは改札に入って行く人やバスロータリーが見渡せる場所だった。

夫の電話から聞こえてきた雑音は私の目の前に見えるパチンコ屋のものだった。

電話をしながらそれに気付き、そちらの方を見るとそこには紙袋を持った夫がいた。

私から着信があり立ち止まったものの、電話が終わると駅の改札に歩き始めた。

私はすかさず喫茶店を出て、夫を見失わないように追いかけた。

人を尾行するなんて初めてで緊張したが、ばれてもいい覚悟だった。

夫は家の最寄り駅よりも2つ前の駅で下りて、改札を出た。

そして駅から少し行ったマックの前にいた女性に話しかけていた。

するとその女性と歩き始めて、さほど歩かずのとこにあったイタリアンレストランに入って行った。

私はその女性の顔を思い出してみたが、やはり知っている顔ではなかった。

それに歳は私よりも若く見えた。

この場でイタリアンレストランに飛び込んで行って夫に問い詰める事も考えてみたが、もしその女性が単なる仕事関係の人だったらどうしようと思ってしまった。

イタリアンレストランを外から覗くと二人がテーブルに案内されて丁度座るところだった。

きっと食事でもするのだろうと思ったので、私はその近くにあったファーストフードに入り少し時間を潰す事にした。

夫がお店に入ってから1時間が経過して時計が10時を過ぎた頃、私はファーストフード店から出てイタリアンレストランを覗いてみた。

するとまだ夫と女性は店にいて、お酒を飲んでいた。

既に食事は済ませた様子だった。

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