私は副社長のおもちゃ 第4話

先輩に言った方が良かったのか、でもなんでか先輩には隠しておきたくて。

「約束通りに来たな」
「来ないとクビにされそうだったんで」
「よくわかったね」
そんな冗談が出てくるなんて以外だったけど、お陰で私は緊張がほぐれた。
「ところで安西さんは、ほんとのところ岸とはどうなの?」
「え?何も」
「本当?」
「まぁ事故みたいな感じで冗談でのキスはありましたけど、私は妹扱いですからね」
「俺にはそうは見えないけどね」
「そうですか?いつもからかわれてばかりでふざけてますよ」

(それにしても副社長と二人でこんなとこにいていいのかな…)
(誰かに見られたらまずいよね…)
(でも仕事の延長だし、何も怪しまれる理由もないからいいのかな)

サッカーの試合が終わると食事に誘われ、断る事もできず行く事になった。

(こんな高そうなレストラン。余計に緊張しちゃうじゃん。もう飲むしかないか…)

「そんなに慌てて飲んだら酔っぱらっちゃうよ」
「こんな所初めてで、酔わないと緊張してどうしょもないんで」
「ハハハ。本当見てて飽きないし、可愛らしいね」
「すいません」

立ち上がった瞬間、足元の力が抜けてフラフラで副社長が支えてくれた。
「すいません」
「いいけど大丈夫?」
「はい。申し訳ないです」

(最悪だ。こんな姿見られたくなかった)

「危ない」
後ろから私を持ち上げた時、副社長が私の胸を掴んだ。

(どうしよう、私の胸をもろに掴んでるし)

これが先輩なら触らないでよって言えるのに、
助けてくれたんだし、副社長が相手じゃ言えない。
もういつまでもフラフラしてる場合じゃない。

(ん?気のせい?私、胸揉まれてる?)

余計に何も言えなくてどうしたらいいのか分からなくなった。

それは気のせいじゃなく、間違いなく副社長が胸を揉んでいた。

(ここ個室だし、お店の人は呼ばないと来ないしこのままじゃ…)

(それに副社長って奥さんいるのに何でこんなことするの?)

「ちょっと、副社長・・・」
「・・・」
「ちょっと・・・」
「いいから黙って」
「え?」

あれこれ私が考えている間に副社長の手がいつの間にか私の下半身に滑り込んだ。

「やめて下さい!!」

慌ててその手を振り払い、身体を離して逃げたはいいが、今度は倒れて転んだ。

(来るんじゃなかった)

「大丈夫か?」
「大丈夫じゃありません」
「俺がしたこと怒ってる?」
「恥ずかしくて、もう顔もみれそうにないです」
「少しイタズラが過ぎたかな?」

(イタズラ?今のがイタズラ?どういう事?)

訳も分からず考えていると、

「これで許してな」

私のカバンに1万円札をそっと入れた。

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