私は副社長のおもちゃ 第8話

先輩からの電話が鳴った。
「起きてたか?俺明日早いからもう寝るから」
「まだ21時だし、起きてたよ」
「あ~それと明日は副社長と一緒なんだけど、俺達の事言ってもいいか?」
「え?あ・・・うん」
「なんかまずいか」
「まずくないけど、出来れば会社の人にはまだ知られないほうが仕事やりやすいかと」
「わかってる。副社長にも口止めしとくから。じゃあ、おやすみな」

(なんでこうなるかな…。
この前の一件があるし、できれば私がいるとこで言ってほしかったのに…。
あの副社長のことだからあの時の事を先輩に言われてしまったらどうしよう。
私から先に言うしかない)

慌てて支度して、副社長がいる飲み屋に向かった。

「やっぱり来たね。まぁ来るとわかってたから連絡したんだけどね」
(やっぱりこの人苦手だ)
「いや、今日はお話があってきたんです」
「話?」
「話と言うか報告です。それとこの前は御馳走様でした。ちゃんとお礼を言ってなかったので」
「あ。この前ね。いや俺も楽しませてもらったからいいんだよ」

私、またこの人にからかわれてる。
先輩といい、副社長といい似てるというか私がからかいやすいのかもしれない。

「それで、報告なんですけど・・・」
「あ、そうそう。明日は出張で岸と一緒なんだけど、明後日帰るから一緒に飲まないか?」
「はぁ。いや・・・」
「何か都合でも?それとも俺と二人がいいかな?」
「そうじゃないです」

なんで言えないんだろう。
ついついこの人のペースになっちゃうし、
ドキドキしてしまうから余計に言えない。

「まぁ考えておいてよ。ところで報告って何?」
「実はその岸先輩なんですけど、明日本人からも聞く事になるので先に言いたくて」
「何かな?」
「実は私達、一カ月前くらいから付き合う事になったんです」
「う~ん」
「それを言いたくて」
「で?それだけ」
「いや、それと・・・言いにくいのですが、あの時の事は岸先輩には話してなくて」
「あ~そういう事ね。黙っててほしいってことね」
「お願いします」
「どうしよっかな~」
「副社長のそういうのよくないですよ」
「冗談だよ。黙っておくよ」
「お願いしますね」

(本当この人大丈夫かな?
今からでも岸先輩に言うべきかも。
でも今更すぎるし、聞いたら嫌な気分にさせちゃうし。
黙っておくほうがいいに決まってる)

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